マンション管理適正化診断サービスという無料のサービスをご存じでしょうか?

 これは、「マンションドクター火災保険」という日新火災のマンション火災保険の保険料見積りを取得する場合に必要となる診断サービスです。

 診断の結果、得点に応じて保険料が決定する仕組みとなっていますが、単に見積り取得のための診断というわけではなく、管理組合の管理状況が客観的に採点されるという性格も持ち合わせています。
 つまり、管理組合の実力が無料で採点できるサービスとなっています。

 この診断サービス、実はものすごく人気がありまして、サービスを利用した全国の管理組合は昨年末時点の累計ですでに1万棟を超えています。
 ですが、奈良県のマンションの診断実績はまだ2~30組合です。全国に占める棟数割合からすれば圧倒的に少ないと言えます。

 無料だからとりあえず受けようとはならない慎み深さが奈良県の特徴だと言えなくもないですが、それにしてもあまりに少ないと思います。
 奈良県のマンションは新しい保険や管理組合運営に関心がなさすぎるのでしょうか。

 管理組合の実力が無料で診断できるのと共に、保険料の高騰が問題化しているマンション共用部分の火災保険が安くなるかもしれないという特典付きのこの制度、利用してみて損はないと思います。

 ただし、どんなマンションでも保険料が安くなるわけではありません。
 管理組合の実力と言ったって、理事会が頑張って活動しているとかコミュニティが盛んだとかそんな程度では高得点は望めません。

 もちろんソフト面の採点項目もありますが、最も得点のウェイトを占めるのは、修繕の実施状況または長期修繕計画のレベル(熟練度)です。
 こういったハード面の履歴に応じて高得点が算出される仕組みとなります。

 火災保険料算定のための診断となりますので、保険事故のリスクが低減できるような工事、給排水管の更新や更生工事の実施状況などが高得点の鍵となります。

 やっぱり管理組合の実力って資産価値の維持と言いますか、将来に渡っての建物の安心感とか売却を仮定したときの価格の目途といった要素が多くを占めると思います。
 コミュニティ活動にしても結局そういう検討を放置しないための活動になるわけですから。

 そのきっかけ作りとしてこのサービスを利用していただき、診断報告書を読んだりマンション管理士から意見を聞く機会を設けるなどその組合に応じて行動していただければよいのではないかと思います。

 興味を持っていただいた方はパンフレットホームページをご覧ください。

 繰り返しになりますが、このサービス、なかなか侮れないと思います。
 積極的にご活用ください。

(石井孝典)